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仔ライオン

 サムネでも分かる通り、ライオンの赤ちゃんには斑点模様があるのですが、これは茂みなどにまぎれて天敵から隠れるためのものです。長じるにつれて斑点は薄れて行くので、この時期にしか見られない模様なのです。
 時間とともに変化するのは毛皮の模様だけではなく、目の色、肉球の硬さ、鬣の有無や鬣の色合いなどもそうです。目に見えて分かりやすいのは雄の鬣でしょう。成長するにつれて伸びる鬣は、年を重ねるごとに色合いが深みを帯びていきます。色が濃いほど成熟した個体というわけですね。
 また肉球も徐々に硬くなっていき、最終的にはタイヤのゴムのような触感になるのですが、こちらは年齢よりも環境に左右されます。室外の展示場などに出るようになると、徐々に肉球が硬くなり始めます。なので現時点ではまだピンクでぷにぷにの肉球なんですね。
 逆に個体識別に役立つ、成体になっても変わらないものもありまして、それは耳裏の模様です。飼育員さんなどはこの耳裏の模様で個体識別をされているそうです。ほかの個体識別の方法、例えばトラやユキヒョウなどは毛皮に模様があるわけですが、その場合は眉の上あたりの模様、もしくは鼻の模様はひとつとして同じものはないそうなので、ここで判別するんですね。

仔ユキヒョウ

 ヤマトの遺伝子とジーマの遺伝子を受け継いだ最強に美形なユキヒョウちゃん、リヒト
 名前の由来は光。ドイツ語ですね。妹にユーリちゃんがいますが、そちらは七月という意味になります。
 ちなみに現在日本の動物園にいるユキヒョウはほぼシンギズの血統なのですが、このリヒトもまたシンギズの子供たちなのです。

 シンギズという個体はもともとカザフスタンで捕獲された野生個体で、友好の証として日本に贈られたユキヒョウです。
 ユキヒョウは絶滅危急種であり、繁殖は重要な課題です。しかし国内だけで繁殖を続けていけばいずれ血が濃くなる問題は避けられません。この問題は日本だけではなく、世界中のユキヒョウを飼育している国が抱えている問題です。 特にもとは絶滅危惧種であったユキヒョウはワシントン条約で取引が制限されるため、繁殖のためとはいえ国同士でユキヒョウの取引をすることは困難でした。 そのような状況下でカザフスタンから贈られたこの野生個体のシンギズは血統の多様性を高めることを期待されており、日本の動物園はこのユキヒョウを歓迎したのです。
 シンギズはその期待に応えてくれました。たくさんのこどもたちを残してくれたのです。とはいえ今度は国内でシンギズの血統が増えすぎたので、その調整で頭を悩ませることになっていますが、そこはご愛嬌。国外の動物園に旅立ったシンギズの子供たちは現地で子供を残し、血統の多様性に貢献しております。

絶滅危急種はなにかあればすぐに滅んでしまいます。
この気高く美しい孤高の狩人たちが永遠に雪山を駆けることを願っています。

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